PC ポリティカル・コレクトネス
こんにちは。
美沙です。
最近、ここ10数年くらい広まっている
PC (political correctness,
politically correct の略)
についてです。
直訳は『政治的な正しさ・政治的に正しい』
という意味ですが
職業・性別・文化・人種・民族・宗教・障害・年齢・
婚姻状況による差別・偏見が含まれていない
相手に気を遣った言い方について
考えてみましょう。
80年代に多民族国家アメリカで始まりました。
「偏った用語を追放し、中立的な表現を
使用しよう」という運動だけでなく、
差別是正に関する活動全体を指すこともあります。
英語の敬称には男性に付ける(Mr)が
未婚・既婚を問わないのに対し、
女性の場合は(Miss)=「未婚」、
(Mrs.)=「既婚」と区別されますが、
それを女性差別とする観点から
未婚・既婚を問わない
(Ms)という表現に変りました。
ピリオドを省くのは主に英国です。
この語は、「mister」の女性形で、
未婚・既婚を問わない語として
17世紀頃に使用されていましたが、
その後、「Miss」「Mrs.」に置き換えられていました。
それがポリティカル・コレクトネスによって
復活したことになります。
1973年以降国連でも正式に採用
されています。
また、身体的特徴を持つ人を
述べる際には、その特徴に
直接言及することは避けて
婉曲表現を用います。
例えば、「精神障害のある」=
「mentally handicapped 」ではなく
「mentally challenged」という表現を
「耳の不自由な」=「hard of hearing /
defective hearing」ではなく
「hearing-impaired」という表現
を使うようになりました。
さらに、特にアメリカなどで、多様な宗教に
配慮をしようという動きも含まれます。
例えばクリスマスはキリスト教の行事であるため、
公的な場所・機関、大手企業では
他の宗教のことも考慮して
"Merry Christmas"と言わずに
"Happy Holidays"
クリスマス休暇も"Holiday Season"
(他の宗教の人たちも年末年始は
休日になるので)と言い換えています。
クリスマスカードも
"Seasons Greeting"(季節のご挨拶)
に書き換えられ、
クリスマスツリーも
"Holidyan Tree"]となっています。
人種・民族において黒人を指す「ブラック」が
アフリカ系アメリカ人を意味する
「African -American」に置き換えられました。
しかし、両者は厳密には同一ではない
(肌が黒いからアフリカ系だとは限らず、
アフリカ出身だから黒人だとも限らない)。
また、「アフリカ系アメリカ人」という表現は、
アメリカでの歴史が長い家系
(奴隷の子孫で、英語を母語とする者)と
そうでない近年の移民
(英語を母語としない者)を
同じ枠で括ってしまうことになるため、
特に前者の中には
そう呼ばれるのを嫌がる者もいます。
一方、本来はインド人を意味する
指すことが多かったため、
カナダでは「First Nation」、
アメリカでは「Native American」という表現に
置き換えられています。
old people は senior citizens
(日本語の『老人』⇒『ご年配の方』
と言った感じです)
policeman は police officer
(警官は、男性だけではないので)
chairman はchairperson
(議長、男女問わず)
fairman は fairfighter
buisinessman は buisiness person
key man は key person
stewardess/steward は flight attendant/
cabin attendant(CB)
代名詞でも、以前は
everybody や somebody などは、
単数ですので、he などで受けていましたが
最近は、they で受けています。
例) Everyone has their opinions.
(主語が単数ですが、
男女差別にあたる言葉は厳禁ですので、
今ではheではなく、これが
かなり使われています)