イギリスの躾

イギリス人の躾


イギリスのマナー原則は3つ

マナーの国イギリスでは、
小学校でも先生たちが
こども達に厳しく
マナー教育をしています。
海外の学校は
細かいことは気にせずに
自由な教育をしているイメージが
あるかもしれませんが、
イギリスでは、規則が色々とあって
生徒たちをしっかりと
しつけているという側面も、あるのです。
この点に関しては、
公立と私立の間での大差は
さほどない印象です。
マナー教育の原則には、
以下の3点があります。

『目上の人を敬う』
『必ずあいさつをする』
『お礼や謝罪はしっかりと伝える』
これらは日本の学校でも
重んじられることですが、
日本とイギリスで大きく違う点は、
生徒たちがこれらを守らなかった時の
先生の対応やこども達への罰則が
細かく決められているところです。
いろいろな罰則の存在を知り、
理解していくと
「なるほど」と納得できる点もあり、
日本の学校との違いが
なかなか面白いので、
ある小学校のことを例として
ご紹介していきたいと思います。
タイムアウト!って何?
とにかく学校の中での決まりごとが
多いことがイギリスの学校の特徴
だと思います。
校庭で遊ぶときの遊びの種類や
遊び方にいたるまで細かく
規則があります。
そして、規則を破ると
壁ぞいに5分間立たされる
"Time Out"(タイムアウト)という罰則があります。

例えば“中庭ではサッカー禁止”というような
規則を破ると"Cheker" (チェックする役割)の先生から
『タイムアウト』と言われ、5分間立たされます。
日本では注意されることがあっても
イギリスのように立たされることは
あまりないと思いますが、
イギリスではタイムアウトは、
しつけの一貫ということで、
誰もが知っているルールとなっています。
叱る基準が学校内で共通化されている
   タイムムアウト以外に、
"Green Card" (グリーンカード)
"Amber Card " (アンバーカード),
 "Red Card"(レッドカード)と
レベル別の罰則があります。
とにかく、規則を守らなかった場合には
必ず罰があります。
グリーンカード、アンバーカード、
レッドカードは、それぞれのカードによって
罰の内容が決められていて、
グリーン(緑色)→アンバー(琥珀色)→レッド(赤色)
の順に罰が重くなります。
日本では注意され叱られる場合
多くは先生個人に委ねられていて、
学校内で共通の認識のもとに
叱られることはないと思いますが、
イギリスの場合は叱りの基準が
共通化されています。
グリーン、レッド、アンバーカードについてのクラス掲示。
規則は、先生の説明の邪魔をする、
先生の質問に答えない、
先生に口答えするなどの、
授業の妨害にあたる行為や
友だちを傷つける行為に対して
決められています。
そして、授業中に先生が話している時に
お喋りをしたというくらいの、
ちょっとした注意レベルの場合には
最初に"Warning"(注意喚起)をされます。
そして3回目の注意喚起で
グリーンカードが1枚出されます。

例えば、授業中に先生の話を
全然聞かずに先生に注意された場合、
「あと2回チャンスがある」と言われ、
その後再び同じことで
注意された場合には「ラストチャンス」となり、
それでもまだ態度を改めなかった場合には
「グリーンカード!」となるわけです。
また、1日の中で注意し続けられると、
どんどんカードがレベルアップされていきます。
3Warning(注意喚起)でグリーンカード。

4Warningでアンバーカード。
5Warningでレッドカード。グリーンカードの場合は
“あと1回注意されたら
アンバーカードになるよ”という注意のみで
特に罰はありません。
アンバーカードの場合は、
昼休みに"Reflection room"
リフレクションルーム)という反省部屋に
行き、反省文を書きます。
レッドカードの場合は、即校長室へ行き、
校長先生と面談する上に、
校長先生からの手紙が親に行きます。
場合によっては校長先生から
親が呼び出されることもあります。
アンバーカードやレッドカードは、
グリーンカードからのステップアップだけで
出されるわけではありません。
友だちに暴力をふるう、ケガをさせる等の行為、
授業中の態度があまりにも
ひどい場合などには即アンバーカードや
レッドカードが出されることもあります。
低学年ほど沢山のステッカーを
毎日もらう事になります。
先生がつけてくれます。
褒め上手なイギリス
これまで、規則違反の罰則の話ばかり
してきましたが、“褒め上手”でもある
イギリスでは生徒個々の素晴らしい点を
見つけて褒めたり表彰したりすることも
とても多いです。
細かなことでも褒めポイントを見つけて、
“Well done!”(頑張ったね!)
“Great!”(素晴らしい!)
"Good work","Good for you","That's really nice"
"You're really improving"
,"You're getting better evrty day"
"Keep moving on it","Keep up the good work"
といって褒め、
生徒の胸にスティッカーを貼っていきます。
下校時に幾つもスティッカーを
胸につけて教室を出てきた生徒に、
「このスティッカーは何でもらったの?」と聞くと、
「今日のワークがとっても上手に
できたからだよ!」とか、
「片付けが上手だったからだよ!」等、
その時々によって違う理由を
教えてくれます。
とにかく、たくさんのことで
日々褒められているようです。
また、授業態度がよかったり、
勉強を頑張ったりしていると
ポイントが溜まり、
一定量のポントが溜まると
“Certificate”といって、表彰状が
毎週金曜日の全校集会で
校長先生から渡されます。

この“Certificate”は、勉強、スポーツ、
本読み、宿題、出席日数等々、
あらゆるジャンルで発行されていて、
生徒たちがみんな何かしらで
表彰されるように先生たちが
工夫しているようです。
マナーについても「これはグッドマナー」
「それはバッドマナー」と、
先生から褒められたり
注意されたりすることが多いようで、
とっても良いマナーの生徒が
全校集会で表彰されることもあります。
常日頃からお友だちや先生への
言葉遣いがとても丁寧で、
常に感謝の意を述べていて
素晴らしい!ということで
表彰された子もいたそうです。
グッドマナーで表彰されるというのは、
いかにもイギリスらしい感じがします。